安定ばかり選んできた今までの人生
2016/08/28
安定こそが自分にとって何よりも大切なことだった
就職してからようやく真剣に自分の人生に向き合うようになり、今までの生き方について考え直す機会が増えました。
なぜいまさらになって自分はここまで生き方について悩んでいるんだろう。そう考えていると、あることに気づきました。
それは、「今まで安定ばかりを選んできた」という事実でした。
いつも安定する道ばかり選んできた
人生にはいくつもの分かれ道があります。その分かれ道では、いつも選択を迫られます。
大学受験のとき、専攻コースを選ぶとき、就職するとき。この3つが私にとって主な分かれ道だったかなと、今では思います。そして、そのどれもが「この先安定した人生を送れるか」を基準に選んでいたのです。
大学受験では、もともと興味のあった生物系では卒業してから就職先がないだろうと思い、需要のある工学部にしぼって受けていました。
大学2年のとき、3つのコースから専攻の分野を選ぶ機会がありました。そのとき私は初めて触れたプログラミングというものに面白みを感じていて、「情報コース」に興味がありました。ですが、実際に選んだのは「電力コース」でした。
これも、安定のためです。うちの大学では「電力コース」での就職実績がもっともよかったのです。そして「情報コース」は一番就職に不利だと言われていました。
就職するときになっても、まだWEBプログラミングなどの仕事への興味は消えていませんでしたが、電力コースへ進んでしまった限りは、電気系のエンジニアになる道しかほぼ残されていませんでした。
ですが、そのことに対して後悔はしていませんでした。IT関係の仕事は「IT土方」などと言われるように激務だという噂もあったし、電気系の方がより安定した仕事につけると思っていたからです。
そして予想通り、私は安定した大企業に入社しました。
このまま素直に働いていけば、生活に困ることはまずないでしょう。給料も世間一般よりは多くもらえています。
ですが、今の自分には悩みが絶えません。
- 本当にこれでいいのか?
- この仕事をあと40年続けられるのか?
- 今の仕事に本気になれるのか?
自分の中の本能がいまの環境を拒絶しているように感じて、一向に心がおちつかないのです。
好きなこと、やりたいことをずっと無視してきた
この心の違和感はなんなのだろう。
頭では分かっています。無事に大企業に就職できて、仕事もそれなりにできている。成功したと言えるんじゃないかと。
それでも、どうしても消えないもやもやした気持ちがあるのです。
思えば、人生の選択の場面で私はいつも「自分がやりたいこと」や「自分が好きなこと」とは真逆の道を選んできていました。
小さいころから生き物全般が好きだった自分は、なんのしがらみもなければ大学では生物学に進んでいたでしょう。ですが実際は「電気工学は需要がある」という理由で工学部に進みました。特に電気に興味があったわけではありません。
そんな半端な気持ちですすんだ大学では、とにかく単位を取って卒業することだけを目標にしていました。大学でこれを学んで、これがしたいという目的がなかったのです。需要があるなんて理由で入学してしまったのですから、当たり前といえば当たり前です。
そんな自分にも、唯一素直に面白いと思える授業がありました。それがプログラミングの授業だったのです。
大学では情報工学の一環としてC言語の基礎を実習で学ぶ機会があったのですが、これがとても楽しかったです。それまでプログラミングをしたことはありませんでしたが、もともとゲームが好きで、一時期ゲームを作る仕事がしたいなんて憧れていた自分にとってはどんぴしゃでした。
あまりに面白かったので、自宅のパソコンにコンパイラを入れてプログラミングを勉強していたくらいです。本分であるはずの電気工学では自宅に帰ってから自主的に勉強するなどありえないことでした。(これがそもそもおかしいのですが...笑)
それほど面白いと思えた情報の勉強でしたが、2回生のときのコース選びでは就職先がしょぼいという理由で情報コースに進むことをやめます。
そして電気について専門的に勉強していく電力コースを選ぶのです。理由は単純に、「就職先がいいから」でした。
「いいところに就職したい」という不純な動機で、もともと興味の持てなかった電気工学を更に深く勉強していく道を選んだのです。
ここで自分の素直な気持ちを尊重して、情報コースを選んでいれば今のように迷い続けることはなかったんじゃないかと思います。
大学生活自体はわりと順調に進んでいき、単位も余裕をもってとれ、あとは就職先を決めて卒論を書くだけでした。
就職先を決める時にも、IT系への興味がわいていることを自分でも実感していましたが、「電気専門」で来てしまった自分には電気技術者としての就職先しか実質残されていませんでした。
ですがその時は、「これでいいところに就職できるぞ」という喜びの方が大きかったので、特に悩むこともなく就活をしていました。
就活ではなかなか苦戦し、6月までかかるのですが、結果的に自分に見合わないような大企業から内定をもらいます。
そのときは単純に嬉しかったし、「これで不安もなく安泰に生きていける」と安心していました。
そうやって「まっとうな」「安定した」道を選びつづけ、「好きなこと」や「やりたいこと」は全部無視してここまできた自分。うまくやってきたはずの自分が直面したのは、ぬぐいされないもやもやだったのです。
「好きなこと」「やりたいこと」を無視すると、結局悩み続けることになる
自分の気持ちとは真逆の道を進み続けてきた結果、今私は自分のこれからについて悩み続けています。
好きなことややりたいことを無視して安定だけを求めて生きてきた結果、「好きでもない、やりたくもない」人生を送ることになってしまったのです。
一般的には、
- 好きなことを仕事にできるのは一部の人だけだ
- 「やりたいこと」よりも「やるべきこと」の方が大事だ
- より安定した会社に入るべきだ
と考えられていますし、そう教えられて育ちます。
現に私も上に書かれたようなことこそが正しい生き方なのだと信じてここまできました。
たしかに、今のまま黙って生きていけば不自由なく暮らしていけるでしょう。そういう意味では正しかったのかもしれません。
ですが、私にとってその生き方は「自分という人間をころして生きていく」ことでもあります。自分の意志を捨て、興味を捨て、そして挑戦していくことを捨てて生きてくという事です。
このことに、いまさらになって私は気づきました。そして、「そんな生き方はいやだ。」と、純粋に思うようになりました。
「世間の常識や誰かが決めた考え方に従って生きていくのが、理想の人生なのか?バカだ、無謀だと言われても自分の人生だ。人にどういわれようが関係ないじゃないか。」
今までの考え方を180度変えてからは、本当に自分が実現したい生き方について日々考えています。
今までずっとレールにのって生きてきたのに、いきなりレールを外れて生きていこうとしているため、未だふっきれられていないのが現状ですが。
それでも大事なことに気付けたので、あきらめず、悩み続けていくつもりです。
「自分に素直に生きる事」が、結局は自分の理想の生き方につながっていくのだと、今はそう信じています。